8,642件(2011年12月末現在)
住宅のリフォームや耐震補強は医療業務と同じです。良い治療を行なう前には、精度の高い精密診断、そして経験と技術力とチームワークが必要です。
それと一緒で、私たちは、まず正確な「耐震診断(構造検査)」と「建物調査(住宅インスペクション)」を行い、長期的な視点を元に、住宅そのものの基礎耐力向上を図るご提案をしています。
ですので、私達は図面のみをあてした精度の低い耐震診断はしません。形だけの補強・リフォームではなく、「効果がしっかり出る耐震補強・住宅の価値を維持できるリフォーム」を目指しているからです。決して見た目だけのリフォームや補強は行ないません。
耐震診断はどういう検査をするのですか?

間取の確認 壁の量とバランス、壁材の確認。浴室タイル等の劣化状況チェック
外回りの確認 外回りにクラック(ヒビ)は無いか?基礎にクラック(ヒビ)はないか?等のチェック
小屋裏の確認 実際に入り、目視で確認します。柱・接合部・筋交・劣化等のチェック
床下の確認 実際に入り、目視で確認します。筋交・接合部・基礎・湿気・シロアリ等のチェック
所要時間:2時間~3時間
※決して図面だけによる簡易的な診断は行ないません。
チェック1:地盤・基礎
地盤・基礎は、住宅の耐震性を判断する上で非常に重要です。
診断は基礎の造りと地盤の種別を統合して行ないます。
地盤のチェック内容
- 地盤図や周辺の地形を確認
- 基礎の状態を確認
基礎のチェック内容
- 目視でひびの有無を確認
- 鉄筋の有無をセンサーで確認
- コンクリートの圧縮強度を計測
- コンクリート強度の測定

基礎の状態を確認

コンクリート強度の測定
チェック2:壁のバランス(建物の形・壁の配置)
建物の形と壁の配置を見ることで、その建物のバランスを判断します
壁のバランスのチェック内容
- 建築図面と目視で、家の形を確認し、さらに図面通りの壁が配置されているかも確認します。
たとえ壁の量を満たしていたとしても、壁の配置バランスの悪さによって、耐震性を損なうこともあります。

チェック3:壁の量(筋交い・壁の割合)
筋交いと壁の量から、建物が地震の揺れにどれだけ耐えられるかを判定します。
建物は壁の量が多ければ多いほど地震に強く、少なければ少ないほど地震に弱くなります。
壁の量のチェック内容
- 床下・天井裏から筋交いの有無をチェックし、どこに強い壁が入っているかを割り出します。

チェック4:劣化度
建物の構造耐力上重要な部分が、時間が経ったことで劣化して、欠陥と判断される状態になっていないかを確認します。具体的には、基礎の形状や土台・柱などの腐朽、蟻害などをチェックします。
劣化度のチェック内容
- 床下の湿度・含水率や、白蟻の被害がないかどうかをチェック
- 外側から、屋根・外壁などにゆがみがないかをチェック
- 床鳴り、柱の傾き、張りのたわみなどがないかをチェック

シロアリによる被害

水漏れ
何故、耐震診断や住宅インスペクションが必要なのか?
いわずと知れた地震大国・日本。
1995年に発生した阪神淡路大震災では、約6500人の方が亡くなり、約20万の家屋が全壊、または半壊という被害をもたらしました。
亡くなった方の約8割、5000人の方は木造家屋が倒壊し、家屋や家具の下敷きになったことによる圧死と推測されています。
大震災では、我が家が凶器になりかねない。木造住宅は、しっかりとした構造補強を行えば、耐震性は増し、寿命も長いのです。あなたとご家族、大切な財産を守るために耐震リフォームをお勧めしています。
木造住宅の耐震基準は、建築基準法改正のたびに強化されてきましたが、現在の「新耐震基準」で建てられた家は木造住宅全体の1割にも満たない数です。つまり、旧耐震基準や新耐震基準で建てられた家のほとんどは、大地震によって何らかの被害を受ける可能性が大きいということです。そのためにも、2000年以前に建てられた住宅については耐震診断をする必要があるといえます。
【日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(著)「地震でも安心な家」に住みたい より抜粋】
ここまでやります。IGの耐震診断
この耐震診断のチェックポイントは一般的なものですが、大事なことは床下や小屋裏(天井裏)など「可能な限り、目視確認する」ということです。確認箇所についてはデジタルカメラで撮影し、後の調査記録、報告資料として残します。
床下や小屋裏に入らず、図面のみを100%信用して行う診断では「自分で出来る簡易診断」と何ら変わらず、プロの診断とは言えません。
重要なチェック項目 (1)筋交いや金物の確認
建築図面上の筋交いの位置と実際に入っている筋交いの位置が違うということがよくあります。昔は建築途中に壁の配置を変えたり、窓を追加したりということがごくごく普通になされていたからです。
家の強度を左右する「筋交い」の位置は、建築図面だけでは判断できず、また、筋交いの向き、太さによっても強度が変わりますので、基本的に建築図面は参考程度として考え、目視による診断を行った方が精度の高いものとなります。
さらに、筋交いが柱と横架材にきちんと接合されているか、金物がさびていないか、ボルトの緩みはないかなどをチェックする事で、より正確な判断が出来ます。

筋交い
火打ち金物
羽子板ボルト
重要なチェック項目 (2)蟻害、雨漏り、腐朽の確認
木造住宅の場合、いくら耐震性のある壁がバランスよく配置されていても、構造材にシロアリによる食害や雨漏りによる腐朽があったのでは、なんの意味もありません。

蟻害
雨漏り
腐朽
正確な治療は、正確な診断から

家を支える基礎にひび割れはないか、基礎と土台など木材との接合部分がはずれていないか、雨漏りの形跡がないか、さらには、配管から水漏れしていないかなど、人間で言う足腰を徹底的に調べる必要があります。
床下や小屋裏をしっかり確認することで、その家の善し悪しが分かると言っても過言ではありません。
診断依頼したら、すべて診断者にお任せにするのではなく、病気を医師にみてもらうときと同じように、自分の体だと思ってどのような診断をするのか確認してください。
病気でもそうですが、間違った診断は間違った処方になるからです。

一般的には見逃してしまいがちな小さな疑問や問題を徹底的に調査し、それまで培ってきた知識や経験から正しい対処方法を見つけるのです。
現状はどうなのか、それによるマイナスはどのようなことが考えられるのか、根本的な原因は何なのか、どんな処置が必要なのか。自分で納得のいくまで説明してもらうようにしましょう。そうすることが、より適切な耐震改修につながります。
以上のように、正しい治療(耐震補強)をするためには、正しい診断(耐震診断)が必要となるのです。
また、重要なチェック項目として上げたように、建物の「耐震性能」と「耐久性能」はイコールといっても過言ではありません。適切な診断を行なうことが、建物の耐震性能向上(建物を強くする)及び、耐久性能向上(建物を長持ちさせる)をバランスよく行なうための第一歩だということがお分かり頂けたのではないでしょうか?
小屋裏や床下など、通常目につかない箇所については、2~3年に1回程度の点検が必要です。万一、シロアリの被害や雨漏りなどがあっても、早めに対処すれば被害を最小限にくい止めることができます。
















